『メモ』が与える影響
思いついたことや感じたことを紙に書くことを一般的に『メモをとる』と言います。
このメモには2種類あります。
授業や会議で聞いた事実をそのまま書き写す⇨❝記録のためのメモ❞、
事実を抽象化し、運用へと導く⇨❝知的生産のためのメモ❞。
どちらも大切なことですが、
アイデアを生み出す上で最も重要なのは知的生産のためのメモになります。
メモの取り方については後術しますが、
メモを取ることでどのような効果があるのでしょうか?
新たなアイデアが生まれる
例えば会議中に出た言葉を一言一句逃さずにメモできたなら、
会議中の事実は全てメモを見れば思い出すことができる、
すなわち脳の容量はたっぷりと余っていることになります。
余裕がある時こそ新たなアイデアは湧きやすいです。
またメモしたワードからどんどん根を生やすことで
違った視点から見ることができます。
もちろん一言一句逃すなとは言いませんが、
ビビッときた情報はできる限りメモすると
後から自分を助けてくれることでしょう。
情報を見逃さない
先ほどと同様に出たワードを全てメモしていれば、
後から「あの時何と言っていたっけ?」
といった情報漏れを防ぐことができます。
些細なことであってもメモしていて損はないでしょう。
また、メモを取る行為はアウトプットとなり
耳で聞くだけよりも情報伝導率が高いと言われています。
相手に熱意が伝わりやすい
事前に用意してあるプリントされた資料と、
手書きで不格好ながらも事柄をまとめた紙では
どちらに作者の想いを感じますか?
これは人それぞれ捉え方がありますが、
手書きのほうが熱意が伝わりやすい傾向にあります。
時と場合にもよりますが、
1対1で大切な話をする時などにメモを取りながら、
思ったことをまとめた紙を見せると相手に想いが伝わりやすくなります。
話の骨組みを理解できる
メモを取っていると自然と頭の中でフォルダを作っています。
もしくはメモ自体に見出しをつけて書く人もいると思います。
そうやってジャンル分けすることで、
会議中に今どの話題について話しているのか付いていくことができ、
より深い話をすることができます。
このジャンル分けが上手くいかないと、
話しについていけなくなり、
せっかくのインプットのチャンスを逃してしまいます。
抽象化した想いを言葉にできる
頭の中でぼんやりと生まれた感情も逃さず
言葉に変換してメモすることで言語力の向上につながります。
多くの人が使う『やばい』という言葉にはたくさんの意味があり、
どういう意味のやばいなのか具体的に示しながら
メモすることで曖昧な表現が無くなります。
『メモ』をとるポイント
メモを取る上で一番重要なのは、
事実を書きとめるだけで満足しないことです。
前田氏は、メモを取る際には必ずノートを見開きで使い、
左のページには事実を、
右のページには事実を抽象化し、
最後は自らのアクションに転用して書き記しています。
この段階を踏むことで自分のしたいこと(するべきこと)がようやく見えてきます。
抽象化とは?
この事実を抽象化することが一番大切であると謳われています。
抽象化とは、ある事実を言葉に置き換えることを指します。
<例>空からポツポツ降ってくる水の粒をひとまとめに「雨」ということ。
水の粒はそれぞれ大きさも違えば含まれる成分も多少なりとも違いがありますが、まとめて雨と呼びます。
これを抽象化と言います。
難しいと感じるかもしれませんが、
人は無意識の内に色んな事柄を抽象化しています。
この抽象化によって新たな発見を見出すことができるのです。
『メモ』による自己分析
このメモの取り方は❝自己分析❞にも応用することができます。
やり方は全く一緒です。
自分に対して質問を投げかけ、まずはその質問に対して答える。
答えた内容を抽象化する。
そこからやるべきことへと転用する。
これを繰り返すことで自分について深く知ることができます。
就活の経験がない私は、自己分析を行ったことがありませんでした。
自分が本当にしたいことは何なのか、
この本を機に向き合うことができました。
この著書には巻末に【自分を知るための自己分析1000問】が載っています。
1000問とかなり量は多いですが、少しずつ進めていいので
普段する機会がない、自分と見つめ合う時間を作ってみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。