相手の話したいことを尊重する
人は誰しも“会話の安全圏”を持っているものです。それはファッションの話であったり、ゲームの話、家族の話など人によって様々です。
その安全圏内で話を展開していく限り話し手は、上手く、楽しく話を進めることができます。
聞き手がこの安全圏を尊重してあげることで、話し手に安心感を与え、話をしていて楽しいと思ってもらうことが可能です。
しかしこれは、言うは易く行うは難しいことです。
人間には防衛本能と承認欲求があります。
会話の中でそれらが2つが無意識のうちに働き、見識不足が露呈することを恐れ、また自らの承認欲求を満たすために、自分の“会話の安全圏”へ相手を引きこもうとしてしまう傾向にあります。
無意識とはいえ、その傾向は一度自覚してしまえば、あとは意識して矯正し、慣れるだけです。
聞き上手になるためには、まず相手の話したいことを尊重してあげることが大切です。
相手の言った単語をオウム返しする
カウセリングやコールセンターなどの現場で実際に使われている技術で、相手の言葉をオウム返しをするだけで、相手は自分の話を聞いてくれていると感じてくれます。
聞き手に徹する時はあくまで会話の主導権は相手にあることを常に頭に入れておき、話し手に気持ちよく話してもらうことが重要です。
会話の流れの途中では相槌やアイコンタクト、オウム返しなどの最小限のリアクションに留め、流れを途中で切ってしまうような質問は、後でまとめて行うようにしましょう。
同調効果を利用する
同調効果とは相手と自分の間に共通する部分があると親近感や安心感などのポジティブな感情を覚えるといった心理効果のことです。
例えば仲のいい友人や好きな人と一緒にいるとクセや仕草が似てくることがありますが、
これはシンクロニー効果と呼ばれるもので、同調効果の1つです。
この同調効果の応用で相手と呼吸のペースを合わせることで、相手に親近感を覚えてもらうことができます。
相手が深くゆっくりと呼吸をしていれば、自分も深くゆっくりと呼吸を行い、逆に相手が緊張して浅く早く呼吸を行なっていれば、同様に浅く早く呼吸を行います。
同調効果の応用は簡単なようでいて、効果は抜群です。
相手が評価してほしいところを評価する
人の持つ承認欲求とは非常に強いものです。マズローの欲求5段階説でいえば唯一自己努力では満たされない欲求でもあります。(聞き手が常に求められる理由でもある)
聞き上手になるためには相手が評価されたがっている部分を理解し、評価する必要があります。
例えば下に良いパターンと悪いパターンで例を2つ用意しました。
あくまで一例ですので、状況や人柄に応じて、その人が評価されたがっている部分は都度判断しましょう。
良いパターン
「テスト前だけど、俺勉強してないんだよね」
→「〇〇君は地頭がいいからね!流石だよ」
これはテスト前なのに、勉強しないと言う向こう見ずな自分、または勉強しなくても出来る頭の良い自分を褒めて貰いたいパターンです。
悪いパターン
「昨日パズドラでランク900超えたんだ」
→「へぇー。まだパズドラしてたの?」
これは最悪のパターンですね。話し手はパズドラでランク900越えたと言っていることから、
パズドラガチ勢であることが伺えます。そこに全くもって興味がない感ありありの反応をしてしまっています。
聞き上手になるためには興味がなくとも凄いと共感して高く評価出来なければなりません。
気のおけない友人関係であれば問題ありませんが、ランク900以上に興味の持てない話を投げかけてくる顧客や上司もいます。
そこですかさず評価ができる人間になりましょう。
他人を評価できない理由は、単純に興味が持てないという理由のほかに、もう1つ他人を評価することが自身の劣等感に繋がりかねない、というものがあります。
これは防衛本能によるものですが、他人を評価することと自身が評価されないのは全く別の問題です。
むしろ他人を高く評価することが出来ない人間は、他人から高く評価されにくいと覚えておくべきでしょう。
以上が聞き上手になるための4つのポイントでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。